20代になり、酒が飲めるようになり、気づけば2年が経とうとしている。
小心者のおれは19歳まで酒を飲まずに生きていた。
とはいえ、「これアイスだよ〜」とか言ってビールの泡を差し出してくる大人から口に含んだことくらいはある。
でも、それくらい。
期待していた20代というのは酒との出会い以外で特別何か変わった感覚がない。
むしろ「やらなければならないこと」が本当にやらなければならないことになってしまったマイナスが大きいように感じる。
10代のころはやるべき事もやらずにダラダラと過ごしていたから。
でも20代、もうすぐ終わるが大学3年生というのは、このコロナ禍であってもマイナスであることが当然のはずがなくて、いまのマイナスを形成しているのは確実に自分であると言うことは自覚している。
すぐに終わるはずのやるべきことをうずたかく積み重ね、自分がやりたいことをすぐに実行しないままお流れにしている。
それでは楽しくない。
映画のような、漫画のような、小説のような劇的な...といえば過剰かもしれないが、ささやかな刺激は常に欲しいし、自分の成長というものを実感したい。
今の生活は、朝とも言えない時間に起きて、おざなりに授業を受け、そこからダラダラと夜中までゲームをしたりネットサーフィンをして、夜中に焦って課題を最低限やる、という流れが形成されている。
控えめに言って最悪。
ネット上の人と交流してゲームをするのも大変楽しいが、そろそろ現実世界の方も充実させていきたい。
行きたい場所はそこそこあるし、体験したいアクティビティは大量にある。
今までの自分は、そういうところに一緒に行ける友人ができるまで待っていたふしがあるが、よく考えなくても一人でいることは全く苦痛ではないし、なんなら自分が友人に求めているのはそんなことでは無い。
一人で行けばよかったという反省を今更感じているが、今反省を得られただけ良かっただろう。
ダラダラと歳を重ねて、もう好きに動くことも難しい年齢まで進んでしまってからその事に気付いているよりはマシだ。
ディズニーランドには行きたいし、水族館にも、動物園にも行きたい。
問題は、そういう気持ちを霧散させるほど「停滞」の空気が漂っている自分の部屋だ。
数年前から何も変わっていない部屋にいると、数年前から何も変わらずにゲームをしてダラダラとネットサーフィンしながら夜更かししてしまう。
変わったことと言えば部屋に酒が置かれているかどうか、くらいのものだ。
これではよくない。
まずは動く必要があり、動くためには「動かない」誘惑を削る必要がある。
おれに動かないことを選択させ続けているもの、それは数年前から景色が変わらない部屋。
そして居心地がいいこの生活サイクルにある。
居心地はいいが、空気が薄く呼吸がしにくい感覚が常にまとわりついている。
それはきっと薄々気付き始めている証拠だ。
今のままでは確実にとてつもない後悔をすると。
最近では空気が薄いなんてレベルではない。
昼頃に起きて、授業を雑に受け、終わり次第ゲームに手を伸ばし夜まで続ける。
そしてご飯を食べてまたネットゲーム。
楽しいはずだ。
だけど、充実している気持ちが全くない。
真綿なんてレベルではない、太い太い縄が首に巻きついているかのような感覚だ。
苦しい。
よくない。